足の裏には縦と横方向にアーチがあり、
一般的に「土踏まず」と呼ばれます。
それぞれが歩き出す際のバネになったり、
衝撃を吸収するクッションの役割を担い、
運動バランスの調整および筋肉や神経を保護しています。
このアーチが乱れ、平べったく凹凸のない状態になったことを
「偏平足」といいます。
また、一見アーチがしっかりあるように見えても、
歩行時にアーチが下がってしまい土踏まずが付くような場合を
「隠れ偏平足」といいます。
先天的な骨の形成異常も原因の一つとしてあげられますが、
多くはアーチを支える筋力の低下、
肥満による負担の増加、靭帯の緩みによって現れます。
足関節が過去の捻挫で緩んでいる、
膝や股関節を庇って動いている、
など患部以外のケガが原因となることも多いです。
自覚症状としては、
歩行時に疲れやすい
・つまずきやすい
・関節の痛みなどが起きやすいです。
偏平足は不良姿勢を招き、膝や腰の痛みへつながることが多いのです。
自覚症状での判断以外に、自分で行える簡単なチェック方法を2つ紹介します。
ともに立位で荷重のかかった状態でみます。
1. 舟状骨をみる方法
足の親指側のくるぶしのすぐ下に少し出っ張った骨の「舟状骨」があります。
この骨が土踏まずを形成する骨の高さの頂点になります。
この骨の位置が床に近すぎたり出っ張りすぎている場合は偏平足の疑いがあります。
スポーツをされている方の中には、足底の筋肉が発達して土踏まずの形成がみられない場合がありますが、冷静に骨の位置を見極めることが重要です。
2. アキレス腱をみるみる方法
この方法は一人では難しいので、家族や友人に協力してもらいましょう。
ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)はアキレス腱となり踵へまっすぐ付着します。
このアキレス腱が、筋力の低下や荷重の増加・運動による衝撃の増加などにより、アーチが乱れ踵が外側へと傾き、アキレス腱が「く」の字に曲がっている場合も偏平足の疑いがあります。
• 五秒以上片足で立てない
• 歩いた後にスネの部分が痛くなりやすい
• 歩行後にくるぶし内側が腫れることがある
• 長時間の立位が非常につらい、足が疲れやすい
• 足の指や足関節を動かした際に動く範囲が狭い
偏平足は膝・股関節・足関節などのケガ・運動による筋肉のオーバーユースなどが背後にあり、
そこを庇って起きている場合なども多く、その場合は偏平足のアーチ部分のみをみても効果は得られません。
全体の軸に乱れがないかを確認し、今の全体の状態をみて適切な処置が必要になります。
また、仕事など日常生活動作も深く関係し、特に女性の場合はハイヒールなどが重心のズレを起こしやすいため、生活面を含めてトータルでの治療・ケアが必要になります。
マッサージやストレッチで筋肉の柔軟性を高めることも非常に重要です。
特に、手で足の指の開閉などを行うストレッチは効果があります。
その他、日常生活においてつま先立ちや地面を蹴って歩くことを心がけるだけで、足の指の筋肉が鍛えられるので偏平足の予防に効果があります。